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京大馬術部 厩舎日記 kyodaiuma.exblog.jp

毎日のしるし


by kyodairiding

二回生自己紹介part11

(ある青年の手紙より抜粋―)

拝啓 

 さむい日が続きますが、お母さまはいかがお過ごしでしょうか。とつぜんのおたよりに、きっと驚かれていることでしょう。ごぶさたしています。ふっと昔のことを思い出して、お手紙を書くことにしました。

 さて、ごぞんじのことと思いますが、ぼくはいま京都というところにいます。京都大学馬じゅつ部に来てから、はや一年いじょうがたちました。京都はさむかったりあつかったりで大変ですが、ときどきお外に出るとみえる「ひえーざん」はいつもきれいです。ただ、やっぱりあつかったりさむかったりが大変なので、それほど満足はしていません。まあまあというやつです。

 馬じゅつ部では、「ガクセイ」というニンゲンたちといっしょに馬じゅつをやっています。「しょうがい」を飛んだり、じぐざぐにあるくのは楽しいですが、たまにピシャっとむちで叩かれるのはかんべんしてほしい。それと、口の中に棒をつっこまれるのは「けい馬」をやっていた時からきらいでしたが、やっぱり苦手です。ニンゲンもやってみれば分かるだろうに。ぼくは舌ベロをべろべろ出すことでひそかに抵抗しています。このあいだは、そのベロが「めんたいこ」みたいだとガクセイが言っているのを聞いたけれど、それは何だろう。きっと悪口にちがいない!

 ぼくに乗るのは、「やながさわ」とかいう男のガクセイです。やなぎ、だったかな?まあどっちでもいい。背ばかりはちょっと大きいやつですが、乗り方が雑でいけない。去年までの「かんかわさん」という女の人と、いまでも乗る「しおださん」という男の人とは大ちがいです。でもぼくはもう9才になるので、かんように接してやるつもりです。ちょっと腹が立った時は、思い切り走ってやったらひどく怖がっていました(笑。でも、やながさわは万事てきとうで呆けているので、全然こたえていないだろうなあ。まったく。

 さて、そんなやながさわは埼玉の大宮の出身で、大宮と言えばぼくの「けい馬」時代の走っていた浦和けい馬場からほど近いところです。やながさわは、「コンビニとちゅう車場とお墓が土地りようの9割」とかなんとかむずかしいことを言っていました。そのくせサブの「ごんどう」が北関東きゅう舎と言っていたのを聞いて、埼玉は北関東じゃない、中関東だとわけのわからないことをさけんでいました。いちいちまわりくどい言い方をするやつです。まったく。

 こまったやながさわですが、ぼくの「にがおえ」を描いてくれたこともあります。これです。
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本人は「げきに」だと言っていますがぼくは「はんしんはんぎ」だったので、しゃしんをくれ、と言うと、これをよこしました。
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どっちがほんとうのぼくなのか、ぼくは自分の顔を見たことがないのでわかりません。ただ、どっちも四本足ではないのできっとまたやながさわのおふざけでしょう。まったく。

 それでも絵をかいてきてくれたのは本当らしいので、ぼくもおれいにやながさわの顔をかいてやりました。
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われながらうまくかけたなあ。ニンゲンは指の数が多いのでちょっと器用かも知れないが、ぼくは口でペンをもってこれだから、きっと指が五本あったらもっとうまいはずだ。あーあ、なんでごせんぞさまは中指だけで立とうとしちゃったのかなあ。
サツキせんぱいはニンゲンよりウマのほうがキックが強いから指なんていらないとじまんしていたけれど、ぼくはまだ分かりません。ただ、いずれはぼくもせんぱいのような黄金の後足をしゅうとくするつもりです。

さて、長くなってしまいましたがそろそろお別れを言おうと思います。ぼくもやながさわを立派なウマ乗りにがんばって育てるので、お母さまは何の心配もなく、どうかお元気で。

敬具       
 
 ウメニウグイス改め京飛梅

(次は三回生自己紹介です。トップは京都版ボブ・マーリーことナオ・フーミー=ミナベ氏です。)
Commented by 通りすがり at 2016-11-30 17:43 x
チョー面白かったです!
飛梅は幸せ者だと感じました。
Commented by kyodairiding at 2016-12-04 23:55
動物界脊索動物門条鰭綱フグ目カワハギ科ウマヅラハギ属ウマヅラハギ Thamnaconus modestus
by kyodairiding | 2016-11-30 00:11 | 部員紹介 | Comments(2)